共同物流センター

 ソシオ熊谷共同物流センターは、「中小企業事業団法」による卸売業の高度化事業である店舗等集団化事業(卸商業団地)の共同施設に、「中小企業流通業務効率化促進法」(物流法)による物流の効率化計画に対する認定を受け、国・県並びに関係機関のご指導のもとに、高度化資金の特例融資の助成を受けて実施されたものであります。

 物流の効率化は、我が国の産業構造のなかでも最も緊急を要するものとして、国は平成9年「総合物流施策大網」を閣議決定されましたが、地域の流通を使命とする卸売業にとりましても、物流サービスの高度化と効率化は緊急且つ重要な課題であります。

 当組合は、先にこれらの事業の調査・研究、計画策定に関する国・県の補助事業の「地域中小卸売業活性化推進事業」及び「地域中小企業物流効率化推進事業」を実施して、「当卸団地活性化中期計画」とこれに基づく物流・情報の機能強化の団地再整備計画を策定し、共同物流センターはその中核的事業として、同時に計画する情報センタービル及び団地内情報通信システムと共に平成7年度よりの高度化事業として推進、実施されたものであります。

1. 共同物流センターの概要

所在地 〒360-0024 埼玉県熊谷市問屋町5-1
事業内容 流通加工、共同保管、共同配送
施設内容

敷地面積 23,916u
建物面積 37,851u(4階建て)
<物流設備機器>
流通加工場、保管場、荷捌場、冷凍冷蔵庫、管理室、会議室、食堂、流通加工機器(デジタルピッキング、ハンディターミナル)、立体自動倉庫(ケース、パレット)等

共同物流事業の
年間取扱商品高
682億円 (平成23年度)
総投資額 8,310百万円  (内高度化資金借入額) 6,510百万円
物流効率化法認定日 平成8年3月5日認定
事業開始時期 平成10年8月

2. 共同物流事業の内容

共同化(組合設立)の経緯

 当組合は昭和47年成立、卸団地は昭和48年度よりの店舗等集団化事業(中小企業事業団法)として、昭和50年開設された地元卸売業者を主とする総合業種の卸商業団地である。
共同物流センターは、平成7〜9年度の店舗等集団化事業の補完事業の共同施設として、中小企業流通業務効率化促進法による、効率化計画の認定を受けて設置されたものである。

(1) 事業内容

 当共同物流センターの主要な業務は、入荷から出荷までの一貫した物流業務で、その機能は近年の物流サービスの高度化(少量・多頻度・定時配送、NO検品、NO欠品等)に対応する単品管理の流通加工(品揃え)センター機能であり、主要な利用組合員は特定スーパーやユーザー向けの事業部門の総ての物流業務を共同物流センターに委託する商物分離型の利用で、主な取扱商品は一般食品、日配食品、チルド食品、薬粧品、医薬品、ギフト品等である。
その他、組合員の物流業務を補完する一時保管業務と集荷型共同配送業務を行う。

(2) 業務概要

<センター業務の流れ>

図:センター業務の流れ

(3) 受発注システムの内容

 共同物流センターに一貫した物流業務を委託する主要な利用組合員は、既にそれぞれEOS、EDIの受発注システムを開発しており、各社は主に団地内情報センタービル内のホストコンピュータで受(発)注し、その情報を団地内通信システムの内線光ファイバーにより共同物流センターに送り、共同物流センターで物流情報に変換する。

3. 「中小卸売業における共同物流運営ビジネスモデル」の開発

(1) 事業実施の経緯

 中小卸売業にとって、ロジスティクスに関する課題の解決は強く求められるところであり、当組合はその実施する共同物流事業の効率化のため、国の平成12年度補正予算に係る「中小企業物流高度化・効率化システム開発事業(補助事業)」の一環として、「中小卸売業における共同物流運営ビジネスモデルの開発及び実地検証事業」を実施したものである。

(2) 事業の概要

 協同組合 熊谷流通センターの共同物流センター(以下、ソシオ熊谷共同物流センターとする)において、組合員の「共同保管/荷役」と「共同配車」を行うために、SLP(注、参照)をベースとした「SLP:共同物流センターテンプレート」を作成し、「現場改善」「業務/システム要件分析」等を実施、また中小小売店の販売機会のロス回避を図るために、簡単に発注できる仕組みを提供することによりリードタイムの短縮を図り、受注から共同配車まで一連の実地検証を通して「共同物流運営の標準ビジネスモデル」の構築を行う。

共同保管/荷役  ソシオ熊谷共同物流センターに、組合員の商品を商品特性別に定められたロケーションに保管し、組合員からの「入出荷指示」に応じて「統一された現場オペレーション」にて入出荷作業を行う。なお商品管理においてはSS無線ハンディターミナル(HHT)を活用する。
共同配車  共同配車には「共同出荷バース」を設け、効率的な積込指示と配車計画に基づき、組合の手配する「運送会社のトラック」にて共同配送を行う。
共同受注  中小小売店へインターネットの利用による簡易な発注の仕組みを提供することにより、卸売業に負荷が大きい受注入力作業を削除することでリードタイムの短縮を図る。

(注)SLP・・・ Standard Logistics Packageの略。物流業務を支援するために開発されたソフトウェア・パッケージ。運送業務、倉庫業務、物流センター業務などで活用出来、様々な業種に導入が可能なソフトウェア。

(3) 実地検証実験の効果

限定された範囲であるが、実証実験の結果、確認できた効果は以下のとおりである。

<定量的な効果>

・ 共同配送業務における配車時間の短縮(10分→10秒)
・ ピッキング処理時間の短縮(24%減)
・ 保管効果、作業の効率化(20〜30%減)
・ 保管スペースの効率化(33%減)
・ 配送ルートの集約化による傭車費の効率化(17%減)
・ 受注から出荷指示までの作業時間、作業費の効率化(25%減)

○実証実験の実施主体における経費削減効果:約756万円 (内訳)

a.保管業務(共同保管の実施) 年間削減額=300万円
・ 300坪→200坪(33%減)、25万円/月(100坪)×12ヶ月
b.配送業務(共同配送の実施) 年間削減額=360万円
・ 6ルート6台(4d車)→5ルート5台に削減(17%減)
・ 30万円/月(傭車費)×12ヶ月(=1便当たり1.2万円/日×25口)
c.受注業務(共同受注の実施) 年間削減額=96万円
・ 作業時間8h→6h/週×4週×10人=80h/月(25%減)
・ 8万円/月(80h)×12ヶ月


<定性的効果>
・ 配車作業について、従来は、熟練者が3交代により長時間作業を行っていたが、当該システムを導入することで、熟練者以外の者でも対応が可能となり、経費の削減、作業の効率化、精度の向上が実現できることが確認できた。
・ 中小卸事業者に対して、情報化による効果を具体的に示すことができる。

(4) ビジネスモデル(SLP活用モデル)導入の効果

 実証実験の成果に基づき、ソシオ熊谷共同物流センターは平成14年度より当該モデルを逐次導入し、次のとおり効果が得られている。

@ 荷役作業において、品揃え(ピッキング)、検品に時間が掛かることを改善するために、HHTのピッキング指示とスキャン検品によりピッキング処理時間の短縮、品揃えの正確性、品揃え検品の効率化向上効果が得られた。
A 共同配送業務において、車輌別積付と配車の非効率により、積載率の余裕が活用されていないことを改善するために、共同物流センターSLP活用モデルを構築し、配車組時間の短縮、積載率の向上をSLPサーバーで自動作成される積みこみ指示情報と配車情報により、積載効率化向上効果が得られた。
B 共同受注業務において、中小小売との受発注のFAX・電話を改善するために、WEB受発注活用モデルを構築し、受注から出荷指示までの作業時間、作業費の効率化と入力時間短縮、入力ミス削減による受注業務の効率化と正確性向上効果を得られた。

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